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未塗装黒樹脂部分のメンテナンス


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塗装されていない樹脂パーツ(未塗装バンパーなど)の艶だしメンテナンス方法に関して

■未塗装部分の樹脂パーツメンテナンスに関して

バンパーなどの樹脂素材を知る

素材によってケミカル用品の性質をよく理解する必要があるのは塗装部分も同じことがいえますが、未塗装部分はもっとシビアに考えなければいけない部分があります。塗装=保護コートですが、未塗装部分には塗装という保護被膜が無いからです。

素地の樹脂にもよりますが大抵の自動車用樹脂パーツの素材はABS(アクリロニトル・ブタジエン・スチレン)樹脂、もしくはPP(ポリプロピレン)樹脂という熱可塑性樹脂で構成されています。

PPは耐熱性に優れ、艶を出しやすく、曲げに強いため主に外装パーツ、すなわちバンパーなどに利用されており、メーカーによってPPをベースにした合成樹脂が使用されています。(塗装バンパーもPPの上に塗装されています)

ABSに関してはPPよりも若干熱に弱いですが、その耐熱温度は100度以上にもできますし、耐衝撃性に優れていますので、内装部品や一部外装のガーニッシュや樹脂パネル、エアロなどにも用いられています。

一般的に言われるFRPは強化プラスティックの総称ですが、強度を上げるためにガラス繊維やカーボンファイバー、ケブラーなどを樹脂中の骨格としている物をさします。強度は樹脂と繊維の使用によって様々ですが一般的に硬くて割れやすい性質があります。

成型が良いため社外エアロなどによく用いられていますが、衝撃の加わり易いバンパーには割れやすいため正直なところ適さない材料です。(補修が利きやすい点は適している)

樹脂素材に適したメンテナンス

PP及びABS樹脂ともに耐薬品性に優れており、よっぽど変な薬品を使用しない限り、変質しない特性を持っています。使用する可能性のあるIPAやエタノールも問題なし、ガソリン・灯油などに関しては影響がありますが浸して放置しなければまず問題は出ません。

危険なのはエーテル系、ケトン系、エステル系などの薬品で、芳香族ベンゼン・キシレン・トルエンは石油系と同じで影響はあるものの常温で短時間なら耐えうる性能を持っています。アルカリ系の耐性に関しても良好です。

ということで未塗装黒樹脂部分には大抵のケミカル用品やコーティング剤を使っても即座に影響が出るようなものは、まずないと考えて問題ないでしょう。

樹脂パーツが劣化する一番の要因は・・・紫外線の吸収による劣化ですが、これは避けきれない問題です。気持ち程度になりますが紫外線透過する製品ではなくコーティング剤が紫外線を吸収するものが好ましいと言えるでしょう。

石油系の強い製品は艶が出てもNG

上記のとおり、大抵のケミカルに関して耐性があるため何を使っても大丈夫というニュアンスで書かせていただきましたが、私が書いた中で「短期間なら問題ない」としたものがあります。

石油系です。石油系の製品は非常に多く、本当の意味で石油系を全く含まないものはないのかもしれませんが、少なくとも「石油のにおい」が分かる製品に関しては避けた方がいいと思います。

熱可塑性樹脂自体が石油系の製品でもありますので、長期にさらされると吸って膨潤や白化することがあるからです。この性質は高温ほど起きやすく、真夏の炎天下・直射日光下では70℃もの高温になることもあり、その影響は決して無視できません。

ガラス繊維系やシリコン主体の艶だし保護がベスト

元々ゴム製品や樹脂製品を侵さないという理由で多く使用されている工業用材料やゴムや樹脂との摩擦部分に利用されているのがシリコン系の潤滑・艶だし剤です。

内装用の艶だし剤として有名な「ポリメイト」などは名前くらいは聞いたか、ホームセンターやカーショップで一度は見かけたことがあると思いますが、主成分はシリコンオイルです。

やはりメーカーサイドも樹脂やゴムパーツへの影響を考えている証拠ともいえます。艶を出して汚れを落とすなら石油系の製品でも構わないのにも関わらず、あえてシリコン系を使っていることからうかがい知れます。

よって自己判断で、石油系の製品をゴムパーツや樹脂パーツに使用することは、あまり好ましいこととは言えないのです。ボディーコーティングはエマルジョン化(乳化)されていても石油系ベースが多いので注意しましょう。

踏まえて使うなら「ガラス繊維系コーティング」が非常に艶や保護持続性に優れ、素材を侵さず無難なマテリアルということができます。溶剤や石油系を感じさせないガラス繊維系と言えばブリスXクリスタルガード・ワン(含むクリスタルガード・プロ)が代表的に挙げられます。

一方IPA溶剤の入った零三式11型ナノガラスブラックは使えないことはありませんがお奨めではないです。界面活性剤入りのアクアクリスタルやPG1シルバーも非推奨、ゴールドグリッタープレストコートはエマルジョン化されていますが石油系の濃度が高めなので非推奨です。

こうやって考えるとケミカルの適材適所って意外と難しく、コート剤に限らず自動車の油脂の特性を知って使いこなしている人は整備士でもかなり少ないです。だからガラスランに呉556を使う整備士が増えるのだと思います(泣)

(注)ブリスはPH試験で弱アルカリ性を確認していますが、素材に塗り込んで拭き取り(通常施工)を行った後に残るアルカリは僅かで素材自体は微弱なアルカリになりますが数日でアルカリの反応がほとんど消えます。

未塗装部分のガラス硬化系コーティングはデメリットも有る

モール・未塗装黒樹脂部分のコーティング剤にはガラス硬化系コーティングに当たるものが結構存在します。逆に言えばボディー用コーティング剤も黒樹脂部分に使用できるということになりますが、私は「ちょっと待った」と言いたいです。

確かに硬化系コーティングでモールコート やホイール用の硬化系コーティング(ホイールクリスタルナノ黒ホイールコートなど)は白ボケして手に負えなくなったような樹脂パーツを新品以上の黒光り状態にすることも可能です。

このように手に負えなくなった場合には非常に有効かつ耐久性も高いのでいいのですが、問題は新品に近かったり、まだ新しい状態での使用に関してです。

モールコートやホイールコートの多くは混合物や濃度はかなり違えど主成分はシロキサン硬化樹脂である場合が多いのですが、その他シラン系の硬化型にしても「本当に硬化した被膜を形成するコーティング剤」です。

水分が抜けることによって構造が締まることを硬化としている製品と違い、吸湿反応と熱などで本当に化学変化で硬質被膜化するので耐久性はありますが、特に塗装されていない凹凸のある部分に使用すると後々のリカバリーは非常に難しくなってきます。

被膜の特性上水垢のような物は付きますし、素材の更なる劣化や、被膜の劣化によって白化してくるのは時間の問題かと思います。そんなときに上手くリカバリー手段は手軽なDIYではまず存在しないでしょう。

管理人はサンドブラストとエアブラシを使って凹凸を出しながら艶を復活させる手法も成功しましたが決して手軽ではなく、通常の洗車やコーティングの施工と一緒になんていう手軽なものではないです。

この観点から未塗装黒樹脂部分に使用すれば美観や耐久性ではガラス繊維系を遥かに凌ぐ硬化系コーティングの使用に待ったを掛けて、ガラス繊維系を最良と判断しました。ただしすでに白ボケしている部分を「復元」させるに当たってはこの限りではなく硬化系が有効です。


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