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石油系溶剤とコーティング剤


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「石油」系溶剤の解説とコーティング剤・ワックスへの影響に関して。

■石油系溶剤とは

何気にコーティング剤やワックスを選ぶ時に成分を見ると表記されていたり、されていなかったりと、様々ですが皆さんは気にしたことがあるでしょうか?

ワックスの時は当たり前すぎて確認すらしなかったと思いますが、無機系やガラス系、酸化しないと言われるコーティング剤の存在を知ってからは良く確認するようになったのではないでしょうか?

石油類は第4類まで分類されており、コーティング剤やカーワックスで「石油系溶剤」の表記があるものは大抵第2石油類に属するものが使用されています。

代表的な石油系溶剤は灯油、軽油、キシレン、などが挙げられ、某有名カーワックスの成分の大半は灯油であるなどと囁かれているのも、この辺が根拠かと思います。水溶性では酢酸なども、第二石油類に分類されています。ということで水溶性でも石油類に分類される物もあるということです。

日本語の漢字が曲者で「油」の字が入るがために、何でもテカテカの非水溶性を想像してしまいますが、コレがそもそも認識の誤りすし、何を隠そう「脱脂」に使われるのも油性の石油類(第一が多い)である事を忘れてはいけません。

さて、ここまでで自分の中の「石油」のイメージをを壊せたでしょうか?

なぜ石油系が否定されるようになったのか?

ガラス系コーティング剤や、硬化系の無機ガラスコーティング剤が普及し始め、大手カーディーラーなどでもその名を聞く機会が多くなったため、以前はウィンドウコートと勘違いされやすかったのですが、比較的認知度も上がってきたかと思います。

そんな中、ワックスを否定する時の常套手段の一つに石油系溶剤に関しての説明があるかと思います。「石油だから劣化・酸化しやすい」ということです。

または溶剤系なので塗装に悪い。というのも良く耳にする話です。しかしながら「酸化・劣化する」「塗装に良くない」という2点は、完全に間違いではないものの、場合によっては限りなく影響は少ないのです。

というのも、ワックスやコーティング剤に含まれているのは「第四類第二石油類」であり、大抵が揮発油だからです。要は石油溶剤としての役割はクリーニング効果を出したり有効成分の施工性を向上させるための延ばし剤であり、役目を終えると揮発してしまい、その後の影響はほとんどありません。

しかしながら、販売戦略や色々な事情もあってか?もっともらしい悪いイメージを植え付けられたまま現状にあるのがワックス・コート剤の石油系溶剤です。

以上のように書いておきながらも、私に関しても比較的「石油系」に否定的な書き方をする場面もHP内で多々あります。(逆に肯定する書き方もしていますが)理由は以下です。

確かに悪影響も絶対的に存在する

「影響は少ない」と書きましたが、少ないだけで実際にはあると思います。「思います」としたのは、影響が出る濃度、石油類の種類、例としての製品情報、塗装の状態別の影響検証などを完璧に行っていないからです。

コーティング剤によく使用されている第二石油類ですが、代表的な石油系溶剤として灯油、軽油、キシレンなどで、塗装面への影響が一番危惧されるのはキシレンだと思いますが、灯油にしても影響は少なくないと思います。

影響に関してですが1に塗装面の状態、2に溶剤濃度が大きく関係してくると言うのが私の見解です。塗装が痛んだ状態というのは、チョーキング(白亜化、粉吹き)と呼ばれる状態で、その予備軍に属する状態も含みます。

予備軍とは、水垢(イオンデポジット)が大量に付着した状態で、本来疎水状態の塗装表面が親水化し塗装表層と水垢が半一体化した状態を指します(簡単に言うと、鉄粉付着が無いのにざらつく様な感じがあればその状態)

石油系溶剤は浸透性が高く、汚れを落とすクリーニング効果がありますが、クリーニング効果を発揮して、汚れを溶かしこんだ溶剤をチョーキング(予備軍含む)層に浸透させてしまいます。こうなってくると最悪で、塗装に汚れた色が定着してしまい、シミのような状態になります。

さらに浸透した石油系溶剤は「第2石油類」である場合、揮発性があるものの、若干の残留は基より性質として持っているうえに、浸透することで揮発性が阻害され残留量が多くなります。

知っての通り灯油や軽油は酸化して腐りますので、チョーキング層に閉じ込めると酸化促進してしまい、結果的に塗らない方が良かったと言うくらいのダメージになってしまいます。

コレは塗装の状態が悪いほど、溶剤の濃度が濃いほど比例して起こり易い現象で、さらなる悪化原因としてはメンテナンス頻度が低いにも関わらず、石油系の製品を使っては放置期間が長いという使用状況が例として挙げられます。

石油系の使い方

これらデメリットを良く知っておけば、石油系の浸透性の高い製品、濃度の濃い製品は避けた方が良いにしても、そんなに毛嫌いする必要性は何所にもありません。要は浸透させるような塗装面でなければいい、小まめにメンテナンスを行う「洗車好き」であれば、むしろ使ったほうが便利な製品です。

チョーキングを起こしてしまった劣化層に関しては、取り除くために「研磨」のメンテナンスが必須になりますが、現状の塗装がある程度の状態であれば、ベースを作った上で簡易的多頻度で石油系=有機を使用してやると言う手法が、結局のところの「美観を保つメンテナンス」においての定石だと思います。

ベースに関しては、やはり圧倒的に酸化腐食しない硬化系が望ましいですが、リスクなどのデメリットを極力避ける、私たちDIYユーザーは「ガラス繊維ケイ素系」を使用するのが最も無難だと感じています。

非常に塗装定着が強く、改質とも思わせる「イオン結合」方式と呼ばれている乾式施工が推奨されているナノ黒や、PG1ブラックなどをベースコートとして、耐チョーキングの酸化防止膜を半年~1年単位のベースコートとする。

その上で石油系のメンテナンス剤なりコーティング、ワックスを使用する分には「石油系の悪影響」という部分は特に感じられないと思います。逆にケイ素系特有のデメリットを補ってくれ、使う製品によってはデメリットの相殺をしてくれるように感じます。

ただし、使用されている石油溶剤によって防汚性に著しく劣ったりする可能性がありますので、その辺はコーティング剤やメンテナンス剤に関する他ページで選定していただければ幸いです。

追記:他ページで選定と言っても難しいので例を挙げておきます

ベースコートとしては、ナノ黒PG1ブラッククリスタルガード・プロピンクダイヤモンドなど、脱脂は重要かと思われます。放置時間をしっかり取ってケイ素系のメリットを享受しておきましょう。

メンテナンス剤としてはコーティングコンディショナープレクサスゴールドグリッターバリアスコートプレストコートなどが挙げられます。バリアスコートだけは完全な油性、他は同石油系ですがエマルジョン化(乳化)されている製品です。


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