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コーティング剤のオーバーコートについて


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硬化系の初期デポジット防止などに施工するオーバーコートについて

■オーバーコート

そもそもオーバーコートとはなにか?という問題ですが、ボディーを守るためのコーティング剤の被膜にさらにコーティングを施すという、傍目から見れば永久ループ的な愚行です。

そもそもオーバーコートの意味合い的には2つあり、1つは非硬化系コーティングでもルーフやボンネットなど過酷な条件に晒される部分に対して施工をより確実にするために同コーティング剤を2度塗りする行為。

もう一つは硬化系コーティングの反応完了までの時間を稼ぐために、別種のポリマーコーティング(主に油性のケイ素フッ素系ポリマーなど)を上掛けする行為。もしくは硬化系の弱点性質を補うために定期的に異種コート剤を施工する行為。

の以上2つなのですが、硬化系のオーバーコートに関しては結構施工するタイミングや考え方がバラバラで有名な業販製品は施工直後にセットでオーバーコート、DIY製品では硬化反応終了時に「積層」の考え方でオーバーコートを推奨している場合もあります。

硬化系コーティングの複雑な事情

硬化系と言っても色々なタイプがあり、製品そのものがオーバーコートを持ってして完成する類のものも多いです。そのような場合はオーバーコートとせずに、レべリングや反応促進剤施工などと色々言い回しが変化します。

ですが、いろいろな製品に触れてきた私の個人的見解からすればレべリングや反応促進剤と称して表面性質を変質させているタイプのものを含めて全部これはオーバーコートとまとめることが言えると思います。

そのコーティング剤が本当に優れているならば、1液で「その成分で仕上げた被膜を表層」にして出庫すればいいと思いますが、硬化系コーティングの現状として一液(一回の)施工でそのまま出せるものは少ないです。

同コーティング剤を反応中に複数回施工し積層させることには異論はありませんし、むしろ効果的だと思います。複液混合でも、その後のオーバーコートやレべリング剤の施工がなければ異論はありません。

しかしながらガラス被膜を前面に押し出し宣伝文句にしつつ、表面のガラス被膜を変質反応させて弱点を補うのはどうかな?と思う訳です。ほんの僅かにしか被膜化しないガラス質被膜の反応中に溶剤入りポリマーを使うといったい何が起きているのでしょうかね?

という事で謳い文句に対しての私的文句であり、オーバーコートに対する疑問ではありません。

なぜオーバーコートが必要なのか

ガラス硬化系の中でも成分の配合などによってどうしても硬化反応が遅いタイプもあります。完全硬化するまでオーバーコートなしでは天候次第の運任せになってしまいます。

完全反応前に雨などに降られてしまうと、湿分反応(※湿気・水分に変化反応すること)で最悪の場合水玉模様が残ってしまったり、非常に落ちにくいイオンデポジットになってしまいます。

硬化系のガラスコーティングは完全反応してしまえば、そこそこ耐イオンデポジットの性能も有しているものの元々耐デポ性は苦手な項目です。ということで反応中は最悪ということになります。

という事で反応中に雨に降られてもこのような状態に陥らないように、非反応型のコーティングを予め積層させておこう、というのがオーバーコートが必要な理由です。

オーバーコートは時間稼ぎか?実は恒久的対策か?

ガラスコーティングのオーバーコートは名目上、硬化反応終了までの対策となっていますが、硬化反応中に他のコーティング剤で石油系の物を施工して変質反応しないものでしょうか?水分にすら反応して変質するのにコーティング剤の成分には反応しない?完全に積層して硬化反応が終わったら都合よく自然剥離してくれると?

結果的な良し悪しは別として、多くの場合は変質してしまってその性質を逆手にとっていると思います。その証拠にメンテナンスクリーナーとして渡されるものはガラス硬化系に属する製品でしょうか?

私の知る限りだとケイ素・フッ素系の油性ポリマーに微粒子研磨剤が入っていたり、シリカパウダーを研磨剤として使ってガラス成分の補充を謳ってごまかしたり、とそんな感じのメンテ剤が多いと思います。

結果的にオーバーコートに使われるコーティング剤と似通った性質のものが多いような気がします。レべリングや反応促進剤に関しては研磨剤成分は入っていないものが多いのでちょっと異なった感じですが。

メンテナンス剤とオーバーコート剤が似通っている事を考えるとオーバーコートは「実は恒久的な対策」と言えるのではないかと思います。

レべリング剤や反応促進剤

これは反応中にあえて異物を加えることによって被膜性質を完全にSIO2(ガラス)ではなく、例えばフッ素複合被膜などに変質させることでイオンデポジット対策などを目的としている場合もあります。

単に本当に反応促進しているだけのものもあるようですが、「あえて変質させる」狙いがある製品が多いように思えます。やはり短期でユーザーの手に渡ってトラブルにならないための上手い方法だと思います。

弱点を補う手法

オーバーコートによる変質が悪いような書き方を上ではしましたが、「結果的な良し悪しは別として」と伏線を張っていたように、私はオーバーコートによってガラス被膜でなくなることは結果的に悪いことではないと思います。

硬化系コーティング剤は普通のコーティング剤やワックスと比較すると桁違いに耐久性が高く、水垢や油性の汚れに対しての防御力は非常に優れていますし、鉄粉や鳥糞などのキツイダメージの軽減効果も高いです。

しかしながらイオンデポジットに対する耐性はいかんせん弱い感じが否めません。と言いますか耐久性ゆえに相反して出てきてしまった弱点です。

ワックスや普通のポリマーコーティングは、硬化系と比較して被膜の定着は弱く硬度も柔らかいのでイオンデポジットがついても被膜の剥離とともに落ちてしまうケースが大半ですが、硬化系は強靭であるがゆえにデポジットも強烈に残ってしまいます。

表面特性である程度とれてしまう場合もありますが、残ってしまうもの残ります。そしてそれが幾重にも重なると・・・見苦しい状態になります。そんなわけでメンテナンス剤でデポジットを除去しつつ「弱い被膜」を形成しておくことによって耐デポジット性を確保するという手法です。

積層の考え方と変質被膜の考え方

私的には完全反応後に耐デポジット被膜をオーバーコートする「積層」の考えですが、完全反応までは時間がかかる上にDIYで屋根なし保管の場合は天気予報を見ながら、あとは運任せになってしまいます。

日程をひっぱって雨に降られるよりも、翌日あたりに若干の反応中であってもオーバーコートしてしまうのがDIYでの正しい方法なのかもしれません。

施工直後にオーバーコートする「変質被膜」の考え方で作業するのもいいですが、この場合はメーカーがキチンと考えたオーバーコート剤(仕上げ剤・レべリング剤などの名称)を用意していますので、適当なコーティングを施工しても良い結果が出ないどころかトラブルになる可能性があります。

参考までにディーラーなどで取り扱われているガードコスメや洗車の王国扱いのコート剤は「フッ素系の液材」が反応剤兼レべリング剤になっています。イオンデポジットを効果的に抑制するには防汚特性の優れたフッ素樹脂が最適ということでしょう。

DIYコーティングではリスクも考えて施工する必要がありますし、半日~1日経過後にオーバーコートするという「変質」と「積層」の間の考え方くらいでリスク的にも少ないですし、一番いいような気がします。

自分の場合

ちなみに私もオーバーコートはしています。表層は防汚性が高い製品が良いですし、艶に関しても拘りたいのでベースは硬化系でガラス繊維系(フッ素セルロース繊維素入り)をオーバーコートし、そのガラス繊維系のメンテナンス剤でメンテナンスしています。

役割分担を解説しますと、硬化系の役割としてはベースで浸透系のダメージ(樹液・鳥糞)の防御、鉄粉の付着深度を浅くするための被膜として、表層は防汚性や耐デポジットがある程度高く艶に優れたガラス繊維得系を使用し、ガラス繊維系再施工に向けてメンテナンス剤で整えるというサイクルです。

ベースの硬化系は1年~1年半くらいで様子を見て再施工と言う感じで考えれば、比較的良い状態を維持できるのではないでしょうか。余談ですが硬化系の上に施工するとちょっと変わった特性を得られたりする傾向もあるようです。


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